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親が“聴きたい話”からではなく、子が“話したい話”から聴いてみる

子育ての講演や学習会で

親御さんからこのような質問を受ける時があります。

 

“子どもの話を聴きたいけれど、

子どもが全然話してくれない。

話をしてもすぐに、会話が終わってしまう。

どうしたらいいですか?“

 

そんな時は

親が“聴きたい話”からではなく

子が“話したい話”から聴いてみるのは

いかがですか?

 

と提案させていただくことがあります。

 

親としては、最近親子の会話が減ってきたから

何とか話をしたい。

そこで、親が興味がある勉強、友達、部活、進路について質問してみる。

でも子どもは

あまり話をしない。

親が子どもから聴いてみたい話題と

子どもが親に話したい話題は

必ずしも同じではありませんよね。。。

 

そこで

一つの案として

子どもが“話したい話”から聴いてみることをおすすめします。

 

例えば

子の好きなゲーム、SNS、動画、推し♪などなど。

 

ある学習会に参加してくださったお母さんと、

中学生の子どもさんの会話をご紹介します。

この日、お母さんは子どもが話したい話を聴くことを試してみよう、と

思い声をかけました。

 

親「ねえねえ、今一番好きなゲームってなんなん?」

子ども「え?お母さんに言ってもわからんよ。」(少しびっくりした感じ)

親「そうか〜。」

子ども「ま、ちょっと教えてあげるよ。〇〇っていうゲーム。」(やや、渋々)

親「そうなんだ。それが好きなんだ。」

子ども「でも、昨日オンラインで勝負したけど、まじ悔しかった。」

親「へ〜。負けたん?」

子ども「負けたり、勝ったりよ。相手がミスした時ねえ…」

(だんだん、多くの言葉を話し始める)。

 

その後、ゲームのやりとりをいろいろと話す。

お母さんはゲームの内容はよくわからなかったが、

(知らない言葉がたくさん!)とにかく話を聴いてみよう、と

聴くことに徹してみたそうです。

子どもは、悔しい気持ちなどいろいろな思いを話し、

最後は何だかすっきりしたように見えたそうです。

 

 

(お母さんの感想)

久しぶりに、子どもがたくさん話したのでびっくりした。

勉強や部活について聞くと、

「大丈夫」の一言で会話が終わってしまっていたので、その違いに驚いた。

ゲームの話ではあったが、子どもの気持ちをいろいろと知ることができて、嬉しかった。

この日、久しぶりに(お母さんが日課としている)散歩に子どもがついてきた。

親子の距離が少しだけ、縮まった気がして、あたたかい気持ちになった。

 

 

子どもさんにとって、親が自分の興味のあることに関心を持って、

話を一生懸命聴いてくれたことは、嬉しかったのでしょうね。

 

子どもさんとつながるチャンスは、いろんなところにありそうです。

 

そんなところから、

親と子がつながっていくこと。

そして

”安心して話せる親だ”と子どもが信頼すると

親が“聴きたい話”にも

子どもが話す機会は増えていくかもしれませんね☺️

 

まずは

会話の内容よりも

会話をする機会を大事にしてみる。

 

そのためには

親が“聴きたい話”からではなく

子が“話したい話”から聴いてみる。

 

親子でゆったりと余裕がある時、

ぜひ試してみてください☺️

 

 

 

さて。

こちらは私が

散歩中に見つけたお花。

かわいいピンク色が印象的でした☺️